妊娠や出産で「健康保険」の対象となるケース

妊娠や出産

以前、当ブログで「妊婦検診費の助成金」「出産育児一時金」についてお話させて頂きました。
簡単に言うと、妊娠は病気ではないため、検診も出産も何事もなければ基本保険対象外になります。しかし、それだと金銭的負担が大きくなるため、上記にあげた二つの制度が活躍しています。

上記二つのブログでも少し触れましたが、「健康保険対象(自己負担3割)」となるケースがあります。
では、どのようなケースが健康保険対象となるのかを今回は掘り下げてお話したいと思います。

健康保険対象となるケース

一般的な知識から思い浮かぶのは、「帝王切開」かと思います。このように、医療的行為・処置が必要となった場合は健康保険対象ケースとなります。しかし、もっと詳しくみていくとまだまだ対象ケースはありますので、下記表をご覧ください。

病名・処置 症状・処置の内容
妊娠中 つわり(重症妊娠悪阻) 妊娠初期から始まるつわりが悪化・重症化したもの
・体重が妊娠前より10%以上(50kgの場合5kg以上)減少している
・口から栄養や水分が摂取できない
・尿中のケトン体が陽性を示し、飢餓状態にある
上記のような場合、医師の判断によって点滴などの処置を行う
流産  妊娠22週未満で妊娠継続できず赤ちゃんが亡くなってしまうこと
状況にもよりますが、手術や内服薬の処方あり
 切迫流産  妊娠22週未満で出血や痛みの症状を伴い「流産する恐れがある状態」
切迫流産に伴う症状を和らげるために対症療法として、薬を投与することもあるが安静第一
 早産  妊娠22~36週の間に赤ちゃんが生まれてしまうケース
 切迫早産  早産一歩手前の状態
基本的には薬を飲んで安静第一だが、入院するケースもあり
妊娠糖尿病 妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常(血糖値が高くなる)
血糖コントロール治療
 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)  妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う状況
血圧を下げる薬や点滴注射を行うこともあるが、重度になると入院するケースもあり
止血のための点滴 切迫流産や分娩時に多量の出血があった場合の処置
 子宮頸管無力症 陣痛が来たわけでもないのに、本来はまだ開かないはずの子宮口が、妊娠中期の段階で開いてしまう疾患
慎重に経過観察を行うと共に、状況次第では切迫流産や早産を防ぐために子宮頚管を縫う手術を行うこともあり
 前期破水  本陣痛が始まる前に赤ちゃんを包んでいる卵膜の一部が破け、中の羊水が流れ出てくること
前期破水自体を治す方法はなく、子宮内感染を防ぎ母子がよりよい状態で出産できるように管理を行う
 超音波検査  通常検診時ではなく、逆子や前置胎盤などで医師が必要だと判断した場合
出産時  帝王切開  子宮切開を行い胎児を取り出す手術方法
 吸引分娩  赤ちゃんがなかなか子宮口から出られない時、金属やシリコン製カップを頭に吸着させ引き出す分娩法
 鉗子分娩  二枚のヘラを組み合わせたはさみのようなもので赤ちゃんの頭を両端から挟み引き出す分娩法
新生児集中治療室での治療 低出産体重児・早産児などで治療の必要がある場合
死産 死んでしまった赤ちゃんを出産する。又は、出産直後に赤ちゃんが死んでしまうこと
その他 医師が必要だと判断した時、自然分娩困難時の無痛分娩や麻酔。又、微弱陣痛のための陣痛促進剤

注意点

上記例をあげましたが、それを判断するのは「医師」です。
医師が危険だと判断した時、「保険診療」となりますが、危険ではないが安全のためにという処置であれば「保険適用外」となり、全額自費となります。

そもそも「帝王切開」っていくら?

自然分娩の入院日数:出産後4~5日
帝王切開の入院日数:出産後6~14日

帝王切開手術自体は健康保険適用で、地域や医療機関に関わらず手術代は22万2000円(32週未満の早産の場合などは24万2000円※平成28年診療報酬点数表より)であり、この金額のうち3割が自己負担額となるのです。つまり、通常の帝王切開手術の保険自己負担自体は66,600円となります。

地域や医療機関により大きく異なりますが、帝王切開による出産・入院費などトータルすると、約40万~100万円くらいになります。
<大まかな費用の内容>
保険診療部分(3割負担):手術や投薬、処置、検査、入院にかかわる費用など
自己診療部分(10割負担):入院中の食事や差額ベッド代、分娩介助、新生児の保育・検査にかかわる費用など

帝王切開の方が、入院日数も多く・・・保険診療代3割負担も・・・となり、費用全体を見るとやはり帝王切開の方がコストはかかります。

しかし、「出産育児一時金」で42万円助成金がでますし、帝王切開に限らず保険診療となった部分は「高額療養費」「医療費控除」など申請することで後に戻ってきます。

その他、個人保険で「1日/5,000円入院補償」などの医療入院保険に加入している方は、支給対象となる可能性もありますので、加入されている保険会社へ確認してみてくださいね。

まとめ

妊娠・出産は、いつどんな変化が起こるかわかりません。
保険診療となる症状などをあげると、本当にたくさんありましたね。

もし、不安な症状などがあれば早めに医師へ相談しましょう。

そして、医師の判断で保険適用診療・治療となった時は、高額療養費・医療費控除の申請のためにきちんと整理して保管しておきましょう。

治療はたいへんなことも多いですが乗り越えた先には・・・きっと、赤ちゃんからのご褒美がたくさん待っていると思います!