国の教育ローン・民間教育ローン・奨学金の違いと特徴

国の教育ローン

幼稚園から大学卒業まで、すべて公立の学校に通ったとしても約1,000万円かかる教育費。

金銭的余裕がない・・・
でも、子供には行きたい学校へ行かせてあげたい・・・

貯金などでお金の工面できなくなった時、「国の教育ローン」「民間の教育ローン」「奨学金」という制度があります。

今回は、それぞれの特徴と違いや注意点などにについてお話させていただきます。それではまず、国の教育ローンから!

『国の教育ローン』とは?

国の教育ローン」とは、日本政策金融公庫の「教育一般貸付」で公的な制度です。教育に関する家庭の経済的負担の軽減と教育の機会均等を目的としています。

融資の対象となる学校は?

大学、大学院(法科大学院など専門職大学院含む)、短期大学
専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
外国の高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院(原則6ヶ月以上の留学)
その他職業訓練開発校などの教育施設

つまり、国の教育ローンは、修業年限が原則6ヶ月以上で中学校卒業以上の人が対象となります。

「国」ではなく「民間の教育ローン」というのもあり、中学卒業からではなく幼稚園から借りれるなど、民間独自の条件があります。しかし、借りる側として気になる「利息」に焦点を当てると、やはり民間の方が金利は高くなります。そのため、中学校卒業後に教育ローンを検討されている方は、まずは「国の教育ローン」から考えてみてはいかがでしょうか。

「国の教育ローン」申請条件

世帯の年収(所得)について、下限はなく、子供の人数に応じた上限額が設けられています。
しかし、子供の人数が「1~2人」で、下記いずれか一つに該当する場合は、990万円(770万円※事業所得)まで上限額が緩和されます。
・勤続年数が3年未満
・居住年数が1年未満
・世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
・ 借入申込人またはその配偶者が単身赴任
・今回のご融資が海外留学資金
・借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超 ?
・ご親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担
・大規模な災害により被災された方

子供の人数 世帯年収(所得)の上限額 事業所得者の上限額(個人事業主など)
1人 790万円 590万円
2人 890万円 680万円
3人 990万円 770万円
4人 1090万円 860万円
5人 1190万円 960万円

国の教育ローン審査基準とは?

提出した資料と、申し込み者の勤務状況や収入、借入状況、住宅ローンや公共料金の支払状況などから総合的に判断されます。

連帯保証人

教育資金融資保証基金(連帯保証人に変わって保証を受ける機関)による保証を利用する場合は必要ありません。この場合、別途保証料を融資金から一括して差し引かれます。

連帯保証人による保証を利用する場合、進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除く)が必要となります。又、原則として申し込み人と別居・別生計の方が条件となっているため、同居している申し込み人と配偶者などは保証人になれません。

連帯保証人の方には、源泉徴収票または確定申告書の控えが必要となります。

学生本人の申請はできない

基本、保護者となっている人が申請し申し込みを行います。
しかし、成人し独立(生計維持)していれば、学生本人が申し込める場合もあります。

教育ローンの申請時期には注意が必要!

「国の教育ローン」の申込は、1年中いつでもできます。 ですが、余裕を持って、必要時期の2~3ヵ月前には申し込みをおすすめします。

合格発表の時期は申込みが集中するため、審査に時間がかかります。いつでもキャンセルは可能なので、早めに申し込み審査をうけておいたら安心ですね。

国の教育ローン申請先

日本政策金融公庫の取り扱い支店、又はインターネットからの申し込みもできます。
その後、世帯全員分の住民票の写しや源泉徴収票などを日本政策金融公庫の支店へ郵送(提出)し10日前後で結果がでます。

もし、審査が通った場合は、再度必要書類を提出すると10日ほどで指定口座へ振り込まれます。

国の教育ローン返済シミュレーション

国の教育ローン返済シミュレーションが、ネットでできますので計算してみてはいかがでしょうか。

例)H29.11月現在の金利で計算
借入金額:200万円
金利:1.76%
返済期間:10年(元金据置期間※在学中4年間は利息のみ返済)

在学中:利息のみ返済(4年間) 3,000円
ボーナス返済なし 0円
卒業後:返済開始(6年間)/元金+利息 29,300円
返済総額 2,249,700円
保証料総額(融資金から一括で差引かれる) 100,758円

国の教育ローンと民間教育ローンの違いとは?

国と民間の違いは、「金利」「借りれる最大金額」「返済期限」です。下記表を比べると、金利は圧倒的に「国」が低くなっておりお得です。
※平成29年11月時点での数字
※国の教育ローン:5月11月に金利の見直し改定を行っていますが、公庫の金利は完済まで変動しない固定金利

教育ローン 金利 借りれる最大金額 返済期限
国の教育ローン 固定金利1.76% 350万円(海外留学資金の場合450万円) 15年(母子・父子家庭などの場合18年)
みずほ銀行(民間) 変動金利3.475%
固定金利4.250%
300万円まで 最長10年
JAバンク(民間)  変動金利3%固定金利で3.7~4.5%(JAによって違いあり)  10万円~1,000万円以内  最長15年(在学期間+9年)以内
イオン銀行(民間)  変動金利2.80~3.80%  10万円~500万円以内  1~15年
三井住友銀行(無担保)民間  変動金利型  10万円~300万円以内  1~10年
楽天銀行(民間)  変動金利3.204%
固定金利3.900%
 10万円~500万円以内※医学・歯学・薬学系大学は10万円以上1,000万円以下  1年~14年
住信SBIネット銀行(民間) 変動金利 1.775~3.975%  10万~1000万円  1年~15年
近畿ろうきん(民間)  変動金利・固定金利2.7~3.2%  1000万円  20年
りそな銀行(民間)  変動金利4.475%  500万円  10年

 

教育ローン(お金)使用方法

教育ローンは・・・

入学金・授業料・受験費用(受験料/受験のための交通費/宿泊費など)や、予備校代・通学定期代・教科書代・パソコン購入費・修学旅行費用・学生の国民年金保険料などにあてることができます。
学業に必要な費用に幅広く対応しており、お子様も勉強に専念できますね。

そこで一つ疑問が・・・「お金を借りる」というということは「奨学金と同じでは?」と思いませんか?
整理するために、まず教育ローンと奨学金の違いについてみていきましょう。

奨学金とは

学業成績・健康などで優れた資質を持ち、経済的理由で修学が困難な学生のために設けられている奨学金制度。
大学・各自治体・企業・民間団体などが実施主体となっており、金額や条件など様々です。そして、「貸与型(返済必要)」と「給付型(返済不要)」の二種類があります。

「教育ローン」と「奨学金」って何が違うの?

教育ローンと奨学金は、基本的に違いますが、一番大きな違いは「返済開始の時期」です。

奨学金 教育ローン
借りる人 学生本人名義 保護者名義
お金の受取方法 毎月定額が振り込まれる 一括で振り込まれる
利 息 在学中、利息は発生しない 借りた翌日から発生する
返済開始時期 卒業後から返済開始 借りた翌月から返済開始

このように、違いがあるのですが、違うからこそ上手に利用すれば負担を少し軽減することもできます。その方法は、「教育ローン」と「奨学金」の併用です。

教育ローンと奨学金の併用で保護者の負担を軽減

例えば、教育ローンで350万円を保護者が借りてくれたとします。在学期間中は、元金を据え置いて利息のみ支払いをすることもできますが、大金ですので返済困難になる可能性も考えられます。

そこで、「奨学金」制度の登場です。
【奨学金(学生)】毎月30,000円(無利息貸与型)4年間=総額144万円
【教育ローン(保護者)】350万円-144万円=206万円

つまり、奨学金と併用すれば教育ローンは350万円ではなく206万円で済むことになります。
しかし、「借金=206万円+144万円」という意味では同じで、すぐに返済するか先になるかだけの違いです。ですから負担軽減といっても少し?だけかもしれません。

そこで!もっと軽減させる方法として、貸与型ではなく給付型(返済不要)の奨学金を利用すること。
貸与型は、卒業後に学生本人が返済しなければなりませんが、給付型の場合は返済不要のため、大きく負担を軽減することができます。もし、給付型の奨学金を受けることが出来れば、金銭的にとても助かりますね。

しかし、上記でもお話しましたが「奨学金」は学生本人が借り、学生本人が返還します。ということは、学生本人は、しっかりと返済金額を想定したライフプランを考えておかなければ「奨学金による破綻」も考えられます。

奨学金による破綻を防ぐためすべきこと

借入額や借入先にもよりますが、奨学金は卒業後10~20年くらいに設定して返還します。

しかし、借り入れるのは10代後半~20代前半の方がほとんど。「自分が何をしたいのか」「どんなことが向いているのか」など方向性や可能性は幅広く、卒業後の収入と支出のことまで想像できていない学生がほとんどではないでしょうか。そのため、思っていたよりも奨学金返還が生活を圧迫するという人が増えています。

日本学生支援機構の調査によると、奨学金の延滞が始まった主な理由は「家計の収入が減った」「家計の支出が増えた」が大半を占めています。

このような事態にならないよう奨学金を検討しているお父さん・お母さん・学生の方!ぜひ、以下に目を通してみてください!

方法①返還後のライフプランを考えよう

安易な借り入れは、破綻につながることを意識して「返還開始後の人生」を考えた借り入れ計画をたてましょう。

例えば・・・返済開始
23歳→〇〇職で働きだいたい〇〇円の収入
25歳→スキルアップのため学校へ通うための費用が〇〇円
28歳→結婚のための資金300万円
30歳→スキルを活かして転職
32歳→住宅購入

など、返還の間で想定できるライフプランを考え、その費用・返還額・収入額が見合っているのかをしっかり考えましょう。

方法①奨学金の書類は学生本人が作成しよう

借り入れする際は、返還する学生本人に「奨学金制度」を理解してもらうために、書類作成を子供にかかわってもらうことも延滞者とならないための大切な要素です。そうすることで「自覚」が生まれます。

そして、もし、返済で困った場合には「日本学生支援機構」に相談し「減額返還」や「返還期限猶予制度」などの利用を検討しましょう。

教育費の準備はこの順番で!

準備していた教育費が不足した場合は、学生本人が借りる「奨学金」から検討してみてください。国の教育ローンも低金利で助かりますが、奨学金は給付型もあり、もし条件が合い審査に通ったらとても助かりますね!

【1】奨学金

給付型

無利子

有利子
日本学生支援機構の奨学金:第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)の二つがある。そして、親の年収制限や学生の成績基準がある。
自治体独自の奨学金制度:貸与型と給付型がある。保護者や学生本人の在住など、利用条件は自治体で異なる。
大学独自の奨学金制度:貸与型と給付型・授業料免除制度など大学によってさまざま。ほとんどの大学で入学前に申請必要。

【2】国の教育ローン

【3】民間の教育ローン

学費なしで通える学校もあります

官庁や企業がつくった学校があり、そこであれば学費がかからず勉強することができます。
例えば・・・
防衛大学校(神奈川県横須賀市)
海上保安大学(広島県呉市)
トヨタ工業学園高等部(愛知県豊田市)

まとめ

「国の教育ローン」は、民間の教育ローンよりも金利が安く金銭的にとても助かる制度ですね。
借金ではありますが、子供の将来のために進学をサポートしてもらえるのは、親として安心ですし希望が持てます。

しかし、返済ができず自己破産というケースもあるようなので、無理の無い借り入れと返済方法を検討し、お子様たちが安心して学業に専念できるように上手く制度を活用していきましょう。