難病医療費助成とは?助成額と申請の流れ

難病医療費助成

現在、多くの方々が難病治療をされているのではないでしょうか。私の兄や友人も難病を抱えており、定期的な診察と検査が必要な状況です。悪化すれば、治療で入院することも・・・。

そのため、健康な人と比べると、治療を継続し続けなければならないというのは、経済的に大きな負担がかかってきます。

そこで今回は、難病治療にかかる費用をサポートしてくる「難病医療費助成」についてお話をさせて頂きます。私は、この制度の存在を知らず後悔をしました。「無知は損」です!多くの方々に知って頂けるきっかけとなりますように。

「難病医療費助成」とは?

難病医療費助成とは、原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合です。その人に対し、国と都道府県が医療費を助成してくれます。

つまり、指定難病(一定以上の病状)ではない難病は「医療費助成は無い」ということになります。

東京都においては、医療費助成の他に、東京都規則による難病医療費助成を行っており、現在は8疾病(都単独疾病)が医療費助成の対象となっています。(以下表:東京都HPより引用/H30年1月1日時点)

原発性骨髄繊維症 古典的特発性好酸球増多症候群
悪性高血圧症 びまん性汎細気管支炎
母斑症(指定難病の結節性硬化症、スタージ・ウェーバー症候群及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群を除く) 遺伝性QT延長症候群
肝内結石症 網膜脈絡膜萎縮症

国の規定とは別に、東京都で独自の規定を定めてくれるのは、とてもありがたいことですね。もしかしたら、他の都道府県でも独自の規定があるかも知れませんので、居住地のHPを確認されてみてはいかがでしょうか。

しかし、なぜ「難病」ではなく「指定難病」という条件なのか・・・
まず、「難病」と「指定難病」の違いについてみていきましょう。

「難病」と「指定難病」の違いとは?

「難病」とは
・発病の機構が明らかでない
・治療方法が確立していない
・希少な疾患であって
・長期の療養を必要とするもの
という4つの条件を満たした病気をいいます。

そして、「指定難病」には更に
・患者数が日本国内において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと
・客観的な診断基準が成立していること
という2つの条件が加わっています。

この条件をみると「指定難病」というのは、難病の中でも「更に少ない難病」であり、命にかかわる重度な難病ということがわかります。

ちなみに・・・私の兄の難病は、生活環境に気を付けていれば日常に支障はなく、仕事もできているため「指定難病」の方に比べたら身体的にも経済的にも安定はしているでしょう。ですが、定期的な検査と継続的内服薬、食事療法などで健康な人よりは費用がかかってきます。

では、私の兄のように「指定難病ではない難病」の人は、どうしたらいいのか?国は助成してくれないのか?と疑問を抱いてしまうのですが・・・無いんですよね。

「指定難病」ではない場合は、一般的である「医療費控除」という制度を活用するしかありません。ですので、診察や治療でかかった費用の領収書などは、しっかりと保管しておきましょう。

「指定難病」の種類

平成29年4月1日に24疾病が追加され、指定難病は合計で『330疾病』になっているそうです(難病情報センターHPより引用)

又、希少難病と呼ばれる、指定を受けていない難病も約7000種あると言われています。

いくら助成してくれる?

通常、私たちの医療費負担は「3割」です。しかし、指定難病の方の場合、医療費の自己負担割合は2割となります。

そして、指定難病助成金は更に・・・所得難病度合に応じて自己負担上限額を定めてくれています!下記表をご覧ください。

《自己負担上限額(月額)》※難病情報センターHPより引用

*表はモバイル横スクロールします。

階層区分 階層区分の基準 患者負担額割合
自己負担額上限額(外来+入院) *単位:円
原則 難病療養継続者
一般 高額かつ長期   一般 高額かつ長期  
人工呼吸器装着者 人工呼吸器装着者
生活保護 0 0 0 0 0 0
低所得Ⅰ 市町村民税非課税(本人年収~80万円) 2500 2500  

 

 

1000

2500  

2500

 

 

 

1000

低所得Ⅱ 市町村民税非課税(本人年収80万円超~) 5000 5000 5000
一般所得Ⅰ 市町村民税7万1000円未満 1万 5000 5000  

5000

一般所得Ⅱ 市町村民税7万1000円以上~25万1000円未満 2万 1万 1万
上位所得 市町村民税25万1000円以上 3万 2万 2万
入院時の食費 全額自己負担 1/2自己負担

難病医療費助成となる範囲とは?

指定難病の医療費助成を受けることができるのは、原則として「指定医療機関」で行われた医療に限られます。

※「指定医療機関」とは、都道府県から指定を受けた病院・診療所、薬局、訪問看護ステーションです。

支給対象となる医療の内容

・診察
・薬剤の支給
・医学的処置、手術及びその他の治療
・居宅における療養上の管理及びその治療に伴う世話その他の看護
・病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

支給対象となる介護の内容

・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導
・介護療養施設サービス
・介護予防訪問看護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導

支給対象とならない内容

・入院時の食事療養費(経過措置者は一部公費負担)
・はり、きゅう及びあん摩・マッサージ
・「事業者(装具作成業者)」と契約作成した治療用装具等
・入院時の差額ベッド代、個室料、おむつ代
・文書料
・介護療養施設サービスにおける居住費、食費、日常生活費等

申請の流れ

申請するために、まずは「指定難病の診断書」をDr.に作成してもらわなければなりません。しかし、全てのDr.が作成できる訳ではなく、都道府県から指定を受けた指定医のみが、申請に必要な診断書を作成することができます。

また、指定医には、新規申請及び更新申請に必要な診断書の作成ができる「難病指定医」と、更新申請に必要な書類のみ作成できる「協力難病指定医」の2種類があります。

都道府県における事務手続き
・臨床個人票をもとに、診断基準に照らして、指定難病であることを確認
・病状の程度が、一定程度であることを重症度分類等に照らして確認
⇒以上2点が確認できた場合には認定

指定難病審査会における手続き
・上記2点が確認できなかった場合には都道府県に設置された指定難病審査会での審査が行われます。
⇒指定難病審査会で上記2点が確認された場合には認定
⇒指定難病審査会の審査の結果、支給要件に該当しないと判断された方には、認定しない旨を通知

※具体的な手続きについては、各都道府県で異なりますので、最寄りの保健所等に問い合わせて確認をして下さい。

引用元:難病情報センターFAQ 代表的な質問と回答例

申請に必要な書類とは?

お住まいの都道府県に申請する時、下記書類が必要となります。しかし、状況や状態に応じて必要となる書類がありますので、各都道府県窓口へ直接確認してみましょう。
・特定医療費の支給認定申請書
・診断書(臨床調査個人票)
・住民票
・世帯所得確認書類
・保険証の写し
・同意書

認定の有効期間を確認しよう

支給認定の有効期間は「原則1年以内」。しかし、特別な事情があるときは、1年3か月を超えない範囲で変動します。有効期間を過ぎても治療が必要な場合は「更新の申請」を行う必要がありますので注意しましょう。

「指定難病」実際の話

以前、ケアマネジャーとして働いていた時、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病のA様を担当し、介護保険(訪問介護/福祉用具)・障害サービス(重度訪問介護)・医療保険(訪問看護/往診)全ての制度を利用して、その方が在宅で生活を送れるようサービスの計画を立てていたことがあります。

介護保険と障害サービスについては、ケアマネジャーが担当し計算しているので、費用がいくらかかっていたのか把握はしていましたが、「医療保険」はご家族様へ直接請求がいくため特に聞いておらず、実質いくらかかっているのかはわかりませんでした。と言いますか・・・知ろうとしていませんでした。

A様の奥様からは「夫の介護を十分にしてあげたいけど、なるべく費用も抑えたいの。そんなにお金もないから」と相談されていたのに、当時「難病だから助成されているだろう・・・」と勝手な思い込みを持ち、調べも聞きもしませんでした。(医療に関して無知なケアマネジャーだったこと、奥様と腹を割って話せていなかったこと・・・後悔です)

今回、『難病医療費助成』という制度を勉強し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は「指定難病」に入るということを知りました。そして、その方は、人工呼吸器も装着していたので、毎月の自己負担は1000円。

この金額を知り「助成金ありがたい!よかった!」という気持ちと「他にも色々と費用がかかっているのに、それでも1000円は払わないといけないんだ・・・」という複雑な気持ちにもなり、できれば全額助成してほしいなと願ってしまいます。

「指定難病」の方の生活を維持するのに、「医療」というのは切っても切れない「重要なサポート」という存在だったのを今でも覚えています。もし、体調変化が起きたら訪問介護では限度がありますし、この方の場合、人工呼吸器を装着されていたのですぐに病院へ!というのも難しく、頼れるのはドクターやナース。何かあった時、すぐに連絡を取って来てくれる医療体制は「命」を預けているのと同じくらい大切なサポートでした。

指定難病と共に生きておられる方にとって、医療技術の発展と医療のサポートというのは、本当に大切なポイントです。

今はケアマネジャーとして勤めてはいませんが、今後もし復活したら・・・!わからない点は「調べて確認!」そして「色んな面から寄り添う」ことを実践していきたいです。

まとめ

「指定難病」の数は、徐々に増え続けており、これからもっと増えていくのではないでしょうか。又、難病指定されていない病を抱えておられる方も多くいらっしゃいます。

「難病医療費助成」に適用される数が増え、多くの方が・・・多くのご家族様が・・・安心して「医療」を活用でき、安心して生活が送れますように。