雇用保険(失業保険)の基本手当いくらもらえる?

雇用保険

今回は「雇用保険の基本手当」について、お話させていただきます。

その前に、「失業保険」と「雇用保険」何が違うの?と疑問を抱かれた方のために・・・

以前は「失業保険」と呼ばれていたものが、法改正を経て現在「雇用保険」という名称になっている・・・ただそれだけですので、難しく考えないでくださいね。

雇用保険の基本手当とは?

まず!雇用保険(失業等給付)には下記の4種類があります。

◆求職者給付
雇用保険の被保険者だった方が、退職し働く意思と能力がありながら再就職できない場合、失業中(就職活動中)の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職するのを支援するために支給されます。今日お話しする「基本手当」はこの求職者給付の1つです。

就業促進給付
早期再就職を促進することを目的とし「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」等が支給されます。
主に就職が決まった時や、就職後一定期間継続して働いた時などに支給されます。

教育訓練給付
厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講した者に対して受講料の一部が支給されます。

雇用継続給付
職業生活の円滑な継続を援助、促進することを目的とし、「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付」「介護休業給付」が支給されます。

基本手当は、雇用保険加入者が退職した際に給付される手当のことをいいます。
現在は「基本手当」となったのかも知れませんが、今でも良く耳にするのは「失業手当」という言葉ではないでしょうか。法改正があり名称は変わりましたが、指している内容は同じです。

下記「ハローワークインターネットサービスより引用」

雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。

雇用保険の一般被保険者に対する求職者給付の基本手当の所定給付日数(基本手当の支給を受けることができる日数)は、受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによって決定され、90日~360日の間でそれぞれ決められます。

特に倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた受給資格者、及び、特定受給資格者以外の者であって期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職した者については一般の離職者に比べ手厚い給付日数となる場合があります。

引用元:ハローワークインターネットサービス基本手当について

「基本手当」受給の条件とは?

一般には「会社を辞めたらもらえるお金」というイメージがあります。しかし、会社を辞めた人全員がもらえるわけではなく、受給するための様々な条件がありますので、1つずつ確認していきましょう。

☑失業状態(働く意思と能力があるにもかかわらず、仕事先が決まらない状態)であること
下記の理由で働かない・・・という方は受給できませんので気を付けましょう。

‣病気やけがのため、すぐには就職できないとき
‣妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
‣定年などで退職し、しばらく休養しようと思っているとき
‣結婚などにより家事に専念するため、すぐに就職することができないとき

☑離職の日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上(会社都合による退職の場合は1年6ヶ月)あること。しかし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あればOK。
つまり、一般の場合、12ヶ月以上雇用保険に加入していなければ、失業保険(基本手当)の支給はありません。

特定受給資格者:会社都合により退職を余儀なくされた方。失業保険の給付日数が多めに付与されるようになっている。

特定理由離職者:ある一定の条件を満たし「正当な理由のある自己都合退職」の方。通常の自己都合退職と比べ、手厚い給付日数を得ることができる。

雇用保険の加入条件とは?

上記でもお話しましたが、基本手当は雇用保険に加入していた人が支給対象となります。
みなさんは、雇用保険に加入していますか?もし、「わからない」という方は、給与明細を確認してみてくださいね。

この雇用保険は、全員加入できる訳ではなく条件があります。
☑31日以上の雇用見込みがあること
☑1週間の所定労働時間が20時間以上あること
パートやアルバイトでも、週合計が20時間以上であれば加入できます。

以上2つのの要件を満たしていれば、加入し月々「雇用保険料」を支払う(給与から引かれる)ことになります。

基本手当の申請手順とは?

(1)退職が決まったら、在籍中に「雇用保険被保険者証」の有無を確認しておきましょう。そして、会社がハローワークに提出する「離職証明書」については、離職前に本人が記名押印又は自筆による署名をすることになっていますので、離職理由等の記載内容についても確認しておきましょう。

(2)退職後「雇用保険被保険者離職票(1、2)」が送られてきますが、「取りに来てください」という会社もあるかも知れませんので、この受取方法も在籍中に確認しておくと安心ですね。

(3)住所を管轄するハローワークへ行き「求職の申し込み」手続きを行います。申し込みをした日が「受給資格決定日」となり、その後7日間は「待期期間」となります。もし、その7日間中にアルバイトなどをしたら、その分待期期間は延長され続けます。つまり、この待期期間が完全に終わらなければ基本手当は受給できません。
<持ち物>
雇用保険被保険者離職票1、2
印鑑
写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
本人名義の普通預金通帳
マイナンバー確認証明書(マイナンバーカード、通知カード、住民票など)
本人確認証明書(運転免許証、マイナンバーカード、年金手帳など)

(4)雇用保険受給者初回説明会に参加します。
「〇月〇日の〇時から開始」というように日時が決まっており、制度を理解するためにも、この説明会に必ず参加しなければなりません。
「雇用保険受給資格者のしおり」、印鑑、筆記用具等も忘れずに持っていきましょう。

(5)第一回目の「失業認定日」※日時指定
失業認定日は、求職活動の実績報告を行う大切な場です。
原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)が行われるため、指定された日にハローワークへ行き、「失業認定申告書」に求職活動をした内容を記入し「雇用保険受給資格者証」と一緒に提出します。ここで「失業状態にある」と認められれば、日数分の基本手当が約1週間後に振り込まれます。

☑特定受給資格者又は特定理由離職者であれば、この第一回目の失業認定日以降に1回目の基本手当が指定口座へ振り込まれます。

☑自己退職の人は、すぐに受給はされません。説明会でもわかりやすく教えてくれますが、7日間の待期期間後「3ヶ月の給付制限」というのがあります。待期期間が過ぎれば、受給開始となります。

☑失業認定日に行き忘れると、原則としてその月は基本手当を受給できません。

(6)次回の失業認定日までに求職活動をしよう
次回の失業認定日までに、原則として2回以上の求職活動実績が必要となります。どのようなことを「実績」とみなすかは、初回の説明会で教えてくれますが、私がお世話になっていたハローワークでは・・・ハローワーク内にある仕事を探すパソコンで求職情報を見たら、それを実績としてくれました。地域差があるかもしれませんので、よく説明会を聞いて確認しておきましょう。

(7)基本手当の給付日数が終わるまで・・・又は、その前に仕事が見つかるまでは、指定された日に訪問し「失業認定」を受けることになります。

基本手当はいくらもらえる?

支給金額=賃金日数×給付率50~80%×所定給付日数
この計算式によって、基本手当の金額がだされます。
※賃金日数×給付率=一日当たりの支給額となり「基本手当日額」といいます。

◆賃金日数
離職した日の直前6ヶ月に支払われた賃金合計÷180日(6ヶ月)
※ボーナスは含まず、交通費や残業代は含む
※税金・保険料など引かれる前の金額

◆給付率(50~80%)
割合に幅がある理由は賃金の高さで金額に大差が生まれないよう平均的に支給するため。賃金が高い人ほど多くの給付金を受け取れますが、賃金の低い人ほど高い給付率が適用されます。

◆所定給付日数
一般受給資格者(自己都合退職など)

被保険者(雇用保険加入)期間 給付日数
1年未満 なし
1年以上5年未満 90日
5年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

特定受給資格者・特定理由離職者

被保険者(雇用保険加入)期間 30歳未満 30歳以上35歳未満 35歳以上45歳未満 45歳以上60歳未満 60歳以上65歳未満
1年未満 90日
1年以上5年未満 90日 180日 150日
5年以上10年未満 120日 180日 240日 180日
10年以上20年未満 180日 210日 240日 270日 210日
20年以上 240日 270日 330日 240日

基本手当:支給額計算例

月給15万円の人が、自己都合により退職した場合
◆賃金日額=(15万円×6ヶ月)÷180日=5,000円
◆給付率は60%で計算すると・・・

5,000×60%×30日分=90,000円となります。

基本手当日額の上限額

下記のように、上限額が設けられていますので確認しておきましょう。

年齢 基本手当日額の上限
30歳未満 6,395円
30歳以上35歳未満 7,105円
45歳以上60歳未満 7,810円
60歳以上65歳未満 6,714円

基本手当の受給できる期間とは?

原則として、離職した日の翌日から1年間となります。

自己退職の人で、所定給付日数が90日の場合・・・
手続き後、3ヶ月間の給付制限後に受給が開始されますが、90日分(約3ヶ月分)丸々基本手当がもらえるか難しいラインです。

もし、支給途中で期限の1年を過ぎてしまうと、それ以降に受給するはずだった基本手当分は無効になります。
ですので、基本手当をもらいながら職探しをされるのであれば、早めに手続きを行うことをおすすめします

しかし、下記のような理由であれば期間を延長することができます!

基本手当の受給期間延長~最長3年間

延長できる条件とは・・・
「離職したあと、継続して30日以上働くことができない人」です。

例えば、病気・ケガ・出産・育児などで働く態勢が整っていない人は、ハローワークに延長の申請を行うと、本来の受給期間(1年)+最大3年延長することができます。

申請するタイミングは・・・
退職日→11/30の場合
継続して30日間働けなかった期間→12/30の翌日から1ヶ月以内に申請しなければなりません。
つまり、12/30の翌日12/31~1/30までに申請を行うことになります。

基本手当をもらいたいから、妊娠はしていても働く意思を見せ受給するという方もいますが、赤ちゃんが生まれ成長してからでも受給することはできますので、延長制度を活用してみてはいかがでしょうか。
(注)嘘はつかず、きちとんと正直に申請しましょう!

まとめ

退職というのは、それぞれ理由があるかと思いますが、転職は次への新たなステップです。
良い職場と出会えるように、雇用保険の基本手当を受給しながら探すのも良いのではないでしょうか。

基本手当は、働きたい方をサポートする制度です。
この制度を有効に活用することで、素敵な職場とのご縁がありますように。