遺産相続の割合や相続税・気になる点が良く分かる注意事項と節約方法

遺産相続の割合や相続税

相続税が払えないから放棄します・・・なんて言葉をサスペンスドラマとかで耳にしますよね。

私にはまだ先の話だわ~なんて思っていても、突然その場面はやってきます。
相続について揉めないためにも、正しい知識を入れておきましょう!

今回は、実際に遺産相続がどのような仕組みになっているのか、相続税はどれくらいかかるのか、節約する方法はあるのか等についてお話させていただきます。

まずは、遺産相続について!

遺産相続とは?

遺産相続とは、亡くなった人の遺産をその配偶者や子供、あるいは孫が受け継ぐことをいいます。
そして、亡くなった方を「被相続人」とよび、相続によって財産を取得した人を「相続人」とよびます。

被相続人が亡くなったことを知らなくても相続は開始され、被相続人が亡くなると同時に遺産の全てが相続人に受け継がれます。

相続においては、誰が相続人で、遺産の分割をどうするのかなど相続人全員で話し合って決めなければなりません。

相続税とは?

相続税とは、亡くなった方の財産を相続により取得したときや、遺言によって財産を取得したときに生じる「税金」をいいます。取得した財産が一定額以下であれば、相続税はかかりませんし申告の必要もありません。

しかし、取得した財産が一定額以上の場合は「相続税」を納めなければなりません。

相続税の申告と納税は、相続の開始があったことを知った日(通常は、亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、亡くなった方の亡くなった当時の住所地の税務署に対して行わなければなりません。

申告の期限までに申告しなかった場合には、本来の税金以外に加算税がかかります。又、期限までに納めなかった場合には、利息に当たる延滞税がかかりますので注意が必要です。

誰が相続するの?

遺産を分配する際、誰が対象になるのかをみていきましょう。
まず、亡くなった方の【配偶者】は、常に相続人となりますので覚えておきましょう。

その後の優先順位は
第1順位・・・【子】【孫】【ひ孫】
第2順位・・・【父母】※父母も無くなっている場合は【祖父母】
第2順位・・・【兄弟姉妹】

第1~第3順位まであげましたが、すべての人が対象となるわけではありません。
もし、第1順位となる対象者がいない場合は、第2順位となりますし、第2順位もいないとなれば第3順位が対象となるのです。つまり、違う順位の相続人は、同時に相続人にはならないということになります。

<例>
夫が亡くなり、妻と子供がいるご家庭の場合は【妻】と【第一順位:子】が法定相続人となります。

夫が亡くなり、妻のみで子供がいないご家庭の場合は【妻】と【第二順位:父母】が法定相続人となります。

離婚しシングルマザーが亡くなり、子供がいるご家庭の場合、配偶者はいないため【第一順位:子】のみが法定相続人となります。
※離婚したら配偶者ではなくなるため、別れた夫は相続人となりません。

法定相続人の取り分ってどのくらい?

以下、法定相続人の取り分割合です。
一番上の配偶者と子が相続人の場合、もし子供が2人いるのであれば「1/2を2人で分ける」ため、「1/4ずつ」相続することになります。

配偶者と子が相続人の場合
配偶者1/2 子1/2(全員で)
配偶者と親が相続人の場合
配偶者2/3 父母1/3
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者3/4 兄弟姉妹1/4

相続税の対象となる(課税)財産とは?

◆お金

相続と聞いて一番イメージしやすい財産ですね。
預金口座の中に入っている場合は、相続人全員の合意をもって引き出すことができます。

◆有価証券

有価証券はお金に換えることができるため相続財産になります。結構な額になる場合も多いため「放置」しないで対応しましょう。

◆不動産

土地や家屋、宅地権も相続財産対象となります。

◆動産

持ち歩ける財産を「動産」といいます。
車や貴金属、骨董品などがこれにあたり、特に相続財産から外してしまいがちなのは骨董品です。個人で判断せず、しかるべきお店で鑑定してもらいましょう。

◆各種権利

被相続人が所有していており、お金に換えられる「著作権」「特許権」や「ゴルフの会員権」なども含まれます。

◆事業用財産

事業用の財産についても相続材の対象となります。

◆みなし財産

みなし相続財産とは「被相続人の死亡によって得られてかつお金に換えられるもの」です。
例えば、生命保険の死亡保険金や死亡退職金などが含まれます。

相続税の対象とならない(非課税)財産とは?

◇合計額が非課税枠の範囲内であるもの

相続税の対象となる財産が、合計しても非課税枠であれば対象となりません。

◇3年以内に相続人でなく遺贈も受けない人(孫など)に贈与した財産

孫は死亡までの3年間に贈与をしても相続税の課税対象となりませんし教育資金としての贈与であれば最大1500万円までが非課税となります。さらに、お孫さんが結婚した場合は直系尊属だから結婚・子育て資金として最大1000万円までの贈与が非課税となります。

◇死亡退職金のうち500万円×法定相続人数

相続人が受け取った退職手当金等はその全額が相続税の対象となるわけではありません。
全ての相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません)が取得した退職手当金等を合計した額が、非課税限度額以下のときは課税されません。
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額(注意)相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。

◇礼拝道具・仏具

例えば、仏壇や神棚・墓石も対象となります。しかし、高価なお墓を建てると相続税対象となる場合もありますのでご注意を。

◇公益事業に使用される場合

相続人が、公益事業(宗教・慈善事業・更生保護事業など)を行っている場合、「事業のためにお金を使うことが確実」という分だけ相続税の課税対象となりません。

◇心身障碍者共済制度に基づいて支給される給付金を受け取る権利

共済制度に基づいて支給される給付金は脱退一時金を除き所得税の非課税対象となります。
さらに給付金を受け取っていない状態でその権利を相続した場合でも相続税の課税対象となりません。

◇幼稚園などに使用されている事業用財産

被相続人が、幼稚園などを経営している場合、その土地や設備などが相続税の非課税となる可能性があります。幼稚園の他には、盲学校や養護学校などがこの制度の対象です。

◇相続税の申告までに特定の法人へ寄付した財産

相続人が、公益事業を行っていない場合でも、相続税申告までに寄付した分を課税対象から除外することができます。国や公共団体の他、公益に役立っていると認められた団体への寄付が認められています。

相続税の対象になる一定額以上っていくら?

相続の対象となる財産、ならない財産について少し整理できたでしょうか。

先述しましたが、取得した財産が一定額以上の場合は「相続税」を納めなければなりません。
その一定の額のことを「基礎控除額」といいます。

相続税対象となる金額の計算式

遺産総額-基礎控除額=課税遺産額(相続税対象となる額)

基礎控除額の計算式

H29年時点での法律
3000万円+(法定相続人の数×600万)

【例】法定相続人が、妻と子供2人の場合(合計3人)
3000万+(3人×600万)=4800万円

→つまり、4800万円までは相続税(非課税)はかからず、4800万円を超えた場合は「その超えた分」に相続税がかかることになります。

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3600万円
2人 4200万円
3人 4800万円
4人 5400万円
5人 6000万円
6人 6600万円

相続税をかしこく節約する方法

節約方法①親の資産を把握

親が生きているのに、財産の話をするのはちょっと・・・となりがちですが、亡くなった後に「親の財産全くわからない」となると、調べるのが大変!一度、親と腹を割って話してみましょう。

以下、確認しておいた方がいいことをまとめましたのでご覧ください。
●預貯金の銀行名、支店名、名義人、口座番号
●加入している生命保険の内容(保険会社名・証券の保管場所・受取人など)
●誰かに貸しているお金、誰からか借りてるお金はないかの有無
●所有不動産の概要(所在地や権利証や登記名義人など)
●遺言書はあるのかないのか
●株式投資をしているなら、証券会社の支店名、保有株式(株数や名義人も確認)
●書画骨董品について
●所有しているクレジットカードの会社、引き落とし日、保管場所
●誰かの保証人になってはいないか
●所有している権利はないか(著作権やゴルフの会員権など)

できることならば、親に「遺言書」を書いてもらうといいでしょう。
亡くなってから親族と揉めるのは、出来る限り避けたいのが正直な気持ちですよね。

ちなみに、私の兄弟はお金に執着心というか・・・「多くもらって当たり前」という意識があるため、将来揉める可能性大!
ですので、出来れば遺言書を残してもらいたい派です。

節約方法②生前贈与

生前贈与とは、親が生きているうちに資産を受け取ることをいいます。

歴年課税
年110万円までなら、非課税で資産を子に贈与することができます。

相続時清算課税
生前に2500万円贈与し、親の死亡時の相続税計算で清算する方法。この場合、歴年贈与は使えません。
譲渡する資産は、譲渡したときの評価額で清算するため、価格が上がる可能性が高いものは譲渡しておくと有利になります。
例えば、値上がりしそうな土地など。しかし、価値が下がる建物などは不向きです。

節約方法③生命保険

生命保険の相続には非課税枠というものが設けられており、非課税分の税金を節約することができます。
500万円×法定相続人の数=非課税限度額

例えば、相続人が母と子供2人の計3人の場合
→500万円×3人=1500万円
この1500万円という金額が非課税として扱われます。つまり、5000万円の保険金であれば残りの3500万円のみが相続税の課税対象となる仕組みです。

このように、貯金や不動産などで資産を残し課税対象=税金がかかるのであれば、非課税となる生命保険金を遺族に残すという方法もあります。

生命保険:その他のメリット
1.特定の相続人を受取人に指定できる
生命保険は法定相続分とは別扱いができるため、被相続人の間でおこなう遺産分割協議とは関係なく財産を渡すことができます。
つまり、相続人の中でも特に可愛がっていた子供に多くの遺産を残してあげたい時など、他の相続人に知られる事なく財産を残すことが可能です。

2.相続人以外にも財産を渡せる
遺言で相続人以外の人に遺産を残そうとすると争族となる可能性がでてきます。そこで生命保険を活用すれば、相続人以外にも財産をスムーズに渡すことができます。
他人であっても、生前にお世話になった人などに多くの財産を残してあげることが可能になります。しかし、相続人以外は非課税枠は適用されませんので注意が必要です。

3.死亡後に現金を受け取れる
被相続人が亡くなった時、相続人は死亡保険金としてすぐに現金が受け取れます。
そのため相続時によく起きる「相続税が払えない」というリスクが減ります。このように納税資金の準備ができるとともに、葬儀資金、お墓の購入など現金があることで様々な生活資金として活用できます。

相続税の申告と納め方

課税される財産合計額が、基礎控除の金額以下であれば相続税はかからず、税務署に対する申告も必要ありません。

基礎控除額以上となり相続税が発生する場合は、被相続人が死亡したときの住所地を所轄する税務署に相続税の申告書を提出します(相続人の住所地を所轄する税務署ではありません)。

相続税は、金銭で一度に納めるのが原則ですが、特別な納税方法として延納(何年かに分けて納める)物納制度(相続等でもらった財産そのものを納める)があります。なお、この延納、物納を希望する方は、相続税の申告期限までに手続をとる必要があります。

相続税って実際いくら?

①遺産総額から非課税財産、被相続人の債務、葬式費用の額を差し引き、正味の遺産額を算出します。
【例】正味の遺産額=5000万円

②正味の遺産額から基礎控除の額を控除し、課税遺産額(合計額)を計算します。
H29年時点での法律
【基礎控除額(非課税)の計算方法】
3000万円+(法定相続人の数×600万)

【例】相続人3人の場合
基礎控除額=3000万円+(600万円×3人)=4800万円

課税遺産額=正味の遺産額5000万円-4800万円=《200万円

※各取り分
配偶者(1/2相続)=2500万円
子供1(1/4相続)=1250万円
子供2(1/4相続)=1250万円

③相続税の総額の計算
相続税の最終的な計算は、税率を掛けたりややこしいため以下リンクよりシミュレーションしてみてください!入力も簡単でわかりやすいですよ!
全国相続サポートセンター・相続税シミュレーション

ちなみに、上記例で計算してみた結果・・・
→配偶者に対して相続税なし
→それぞれの子供に対して5万円ずつの相続税が発生(合計10万円)!

相続放棄した方がいいケースとは?

上記の例であれば、10万円だけの相続税で済みましたが「相続放棄」しなければ借金を背負うことになるケースもあります。では、相続放棄した方がいいケースを一部ご紹介します。

◆生命保険と借入金があるパターン

例えば、預金1000万円、生命保険金1000万円、借入金△3000万円だったとします。
この場合、相続放棄をしないと、差し引き△1000万円を相続することになります。つまり、相続をうけて借金を背負うということです。

相続放棄をすれば、預金と借入金は放棄となりますが、生命保険金は受取人の固有の財産ですので放棄の対象になりません。

結果、生命保険1000万円の現金が残ることになります。

◆被相続人が債務の保証人になっている

被相続人が、知人の借入金の保証人になっていると、その保証債務も相続人が引き継ぐことになります。知人が完済してくれれば問題ありませんが、知人が返済できなくなった時は、代わりに返済することになってしまいます。

しかし、相続放棄をしていれば将来そのような状況になっても保証債務を引き継ぎません。なお、被相続人が誰かの保証人になっていたか不明な場合も、相続放棄をしていれば、もし誰かの保証人になっていたとしても安心です。
※債務・保証人の有無については、事前に家族で確認しあっておきましょう。

◆相続人が債務超過

相続財産は、相続開始と共に共同相続人の共有となります。したがって、共同相続人の債権者は、共同相続人の法定相続分に応じて、相続財産を差押えることができますので、多額の負債を負った共同相続人がいる場合に、債権者による差押え等を回避するためには、相続放棄の手続をとる必要があります。

◆他の相続人と関わりたくない場合

相続の割合を決めたり、書類に印鑑を押したり・・・手続きや話し合いが必ず必要になります。「揉めたくない」「面倒」という方は、相続放棄をすることができます。

相続放棄の注意点

①相続放棄をすると次の順位の人が相続人になります。もし、債務があった場合、その債務を次の相続人に背負わせることになり、親族間でもめる原因になります。

②上記のように揉めたから「相続放棄を撤回したい」と思っても、相続放棄は原則、撤回できません
相続放棄する時は、翌々のことを考え慎重に行いましょう。

③申請期限
亡くなられた方の資産や負債の存在を知った時から3ヶ月以内に申請をしましょう。

まとめ

相続は、プラスの資産もマイナスの資産も含まれます。
残されるご家族のためにも、今から家族で話し合い確認してみてはいかがでしょうか。